夜空を見上げると、無数の星が輝いています。しかし、よく考えてみると不思議なことがあります。宇宙には星が無限にあるはずなのに、なぜ夜空は真っ暗なのでしょう?
この疑問は歴史上多くの天文学者が悩んできた謎で、「オルバースのパラドックス」として知られています。
この記事では、星が輝く仕組みから夜空が暗い理由まで、やさしく紐解いていきます。
✨ 1. 星はなぜ輝くのか?
星は巨大なガスの塊で、その中心では核融合反応が起きています。太陽のような恒星では、水素がヘリウムへと変わる核融合がエネルギーを生み出し、そのエネルギーが光として放たれます。
星が輝く理由まとめ:
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星の中心で「核融合反応」が起きている
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反応で生じた膨大なエネルギーが光として放たれる
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私たちはその光を遠くから受け取って星を「点」のように見ている
🌌 2. 「夜空はなぜ暗い?」──宇宙最大級のなぞ
もし宇宙が無限で、どこにでも星があるなら、夜空のどこを見ても必ず星にぶつかるはずです。
そうすると、夜空全体が太陽の表面のように明るいはず——これがオルバースが指摘したパラドックスです。
しかし現実の夜空は暗い。
この矛盾をどう説明すればいいのでしょうか?
🌌 3. 夜空が暗い理由
現在の天文学では、主に次の3つが理由だとされています。
① 宇宙には“始まり”があり、星の光はまだ届ききっていない
宇宙は約138億年前に誕生しました。
遠くの星の光は、距離があまりに遠すぎて、まだ地球まで届いていない光もあるのです。
つまり、宇宙は“無限の時間ずっと星が輝いていたわけではない”。
② 宇宙が膨張しているから
宇宙は今も膨張し続けています。
遠くの星の光は、宇宙膨張によって波長が伸び、赤外線や電波へとシフトして人間の目に見えなくなる現象(赤方偏移)が起きています。
結果として、星の光は私たちにとって“暗く”なるのです。
③ 星は宇宙に均一に分布していない
星は銀河に集まり、銀河も銀河団に集まっています。宇宙全体に均等に明るさをもたらすほど均一に分布していません。
🌙 4. 暗い夜空に輝く星の意味
夜空の暗さは、「宇宙の歴史」をそのまま映し出しています。
もし夜が明るかったら、私たちは宇宙の始まりも膨張も知ることはできませんでした。
夜空が暗いおかげで、天文学者たちは宇宙の年齢、距離、構造を理解する手がかりを得たのです。
🌠 まとめ
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星は核融合で輝いている
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宇宙が無限なら夜空は明るいはずという疑問 → オルバースのパラドックス
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夜空が暗いのは
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宇宙に始まりがある
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光がまだ届いていない
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宇宙が膨張して光が弱くなる
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星が均一にない
などの理由によるもの
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夜空を見上げると、ただ美しいだけでなく、宇宙の深い歴史と構造が隠れているのだと感じることができます。