TVアニメ『チ。〜地球の運動について〜』の最後に出てくる言葉”タウマゼイン”。
私たちが何かを学ぶとき、その出発点には必ず「なぜ?」という問いがあります。
古代ギリシャの哲学者たちは、この問いがどこから生まれるのかを探求し、その答えとして掲げたのが 「タウマゼイン(thaumazein)」 という概念です。
タウマゼインの意味:哲学は“驚き”から始まる
タウマゼインとは、古代ギリシャ語で 「驚く」「不思議に思う」「神秘に対する畏れ」 を意味します。
アリストテレスは著書『形而上学』の中で、
「人は驚き(タウマゼイン)から哲学を始める」
と述べています。
つまり、人間が世界を理解しようとする根源的な動機は、
自分が知らないことに出会った時の驚きと不思議さ にあるというわけです。
なぜ“驚き”が重要なのか?
1. 疑問が生まれる
見慣れた景色でも、ふと「どうして?」と思う瞬間があります。
タウマゼインは、こうした疑問の種を生む心の動きです。
2. 探究心が育つ
驚きは「もっと知りたい」という探求心につながります。
これは科学の研究者にも、芸術家にも、技術者にも共通する重要な原動力です。
3. 固定観念をこえるきっかけになる
驚きは“当たり前”を揺さぶります。
新しい発見は、日常の前提を疑うところから生まれるのです。
タウマゼインは現代にも必要な「知のエンジン」
スマホで何でも調べられる時代だからこそ、
私たちは“知らないことに向き合う機会”が少なくなっています。
しかし、成長したり、新しい発想が浮かんだりする瞬間は、
決まって 「あれ?これなんだろう?」 という小さな驚きから始まります。
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いつも見ている星空
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普段飲んでいるコーヒー
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毎日使っている道具
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何気なく出会ったニュース
どんなものにも、タウマゼインは潜んでいます。
タウマゼインを育てる3つの習慣
① “なぜ?”と一度だけ自問する
どんなことでもいいので、ふと疑問を持ったら立ち止まる癖をつける。
② 説明できないことをメモする
驚いたこと、不思議だと感じたことを記録しておくと、後で探究のヒントになります。
③ 知識より「視点」を変える
新しい視点で物事を見ると、同じ世界でも驚きが生まれます。
まとめ:タウマゼインは、学びと創造の始まり
タウマゼインは単なる古代哲学の概念ではなく、
現代を生きる私たちにも通じる 「知のスタートボタン」 のような存在です。
日常の中にある小さな“驚き”を大切にしていくことで、
世界はもっと豊かで面白く見えてきます。