私たちが夜空に見上げる星々の中には、寿命を迎えると壮大な最期を迎えるものがあります。
その代表的な現象が 「超新星爆発(Supernova)」 です。
一瞬の輝きは銀河全体より明るくなることもあり、宇宙でもっとも劇的なイベントのひとつとして知られています。
今回は、この壮大な現象がどのように起こり、どんな意味を持つのかをわかりやすく紹介します。
■ 超新星爆発とは?
超新星爆発とは、ある種の恒星が生命の終わりに起こす大規模な爆発現象です。
普通の星の明るさとは比べ物にならないほど発光し、
夜空に突然現れるほどの輝きを放つこともあります。
実際、歴史上の記録では昼間でも見えるほど明るい超新星が観測されたことがあります。
■ 超新星には2つの種類がある
① II型超新星(大質量星の最期)
質量が太陽の8〜10倍以上ある星は、寿命の終わりに「鉄の核」を作り、
それが自重に耐えられず潰れて大爆発します。
・発生の流れ
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水素 → ヘリウム → … → 鉄 と核融合が進む
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鉄の核が急激に崩壊
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外層が一気に吹き飛ぶ
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超新星爆発へ
爆発後には、中性子星やブラックホールが残ることがあります。
② Ia型超新星(白色矮星の暴走)
こちらは大質量星ではなく、
白色矮星が相手の星からガスを吸い取って限界に達することで起こる爆発です。
爆発の仕組みが一定しているため、
宇宙の距離を測る「標準ろうそく」としても利用されます。
■ 超新星爆発が宇宙にもたらすもの
超新星爆発は単なる「星の死」ではありません。
むしろ、新しい星や惑星を生み出すきっかけにもなります。
● 宇宙に重元素をばらまく
私たちの体に含まれる鉄、空気中の酸素、地球の岩石の成分など、
多くは 超新星爆発で作られた元素 です。
地球や生命が存在できるのは、
過去に起きた無数の超新星のおかげなのです。
● 星形成を促す
爆発によって発生した衝撃波は、
周囲のガス雲を圧縮し、新しい星の誕生を促進します。
まさに、星の死が次の星の誕生へとつながっています。
● 中性子星・ブラックホールの誕生
特に大質量星の爆発では、
宇宙で最も密度が高い天体のひとつ 中性子星 や
重力の極限である ブラックホール が生まれます。
■ 実際に見える? 超新星の観測
今日私たちが肉眼で超新星を見ることはめったにありませんが、
歴史上には有名な例があります。
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西暦1054年:超新星が日中でも見え、今の「カニ星雲」を形成
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1572年:ティコが観測した超新星(ティコの超新星)
現代では、望遠鏡や宇宙観測衛星によって
毎年多数の超新星が発見されています。
■ まとめ:超新星爆発は宇宙の「リセットと創造」
超新星爆発は、
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星の最期の瞬間
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重元素を生み、宇宙にばらまく
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新しい星を作るきっかけになる
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中性子星やブラックホールが誕生する
という、宇宙の循環を象徴する現象です。
私たちの存在そのものも、突き詰めれば
遥か昔の超新星爆発の産物 といえるかもしれません。
夜空を見上げるとき、そんな壮大な連鎖に思いを馳せてみるのも楽しいですね。