映画レーベルNOTHING NEWが手掛ける初のオリジナル長編アニメーション作品**『我々は宇宙人』**が、2026年の公開に向けて注目を集めています。本作は、YOASOBIのヒット曲「優しい彗星」のミュージックビデオなどを手掛けたアニメーション作家、門脇康平監督が企画・脚本・監督を務める意欲作です。
「宇宙人」というタイトルが示唆する壮大なスケール感とは裏腹に、物語の中心にあるのは、誰もが経験するであろう**「友情の輝き」と「すれ違いの痛み」**。この記事では、本作のあらすじ、注目の監督、そしてタイトルに込められたテーマを深掘りします。
幼い日の「親友」が、やがて「宇宙人」になるまで
本作の物語は、二人の少年、内気なつばさとクラスの人気者暁太郎の出会いから始まります。
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物語のあらすじ: 小学三年生の夏に出会った二人は、小さな世界の中で、かけがえのない時間を共に過ごし、親友となります。しかし、ある些細な事件をきっかけに、二人の関係は引き裂かれてしまいます。物語はそこから、30年以上にわたる少年たちの友情と、その後の人生の交差を描き、人が生きること、そして他者と関わり続けることの意味を静かに問いかけます。
**「宇宙人」というタイトルは、文字通りの地球外生命体ではなく、「誰にも理解されない、自分だけの孤独を抱えた存在」としての人間を指しているのかもしれません。幼い頃は強く結びついていた親友であっても、時が経ち、それぞれの人生を歩む中で、お互いの心が手の届かない遠い存在になっていく。その「すれ違い」や「隔絶感」**こそが、本作における「宇宙人」のメタファーと言えそうです。
🎨 監督は「優しい彗星」の門脇康平氏
本作で企画・脚本・監督・絵コンテ・編集の全てを担うのは、アニメーション作家の門脇康平氏です。
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実績: 彼の代表作であるYOASOBI「優しい彗星」のMVは、楽曲の世界観を見事に映像化し、多くの視聴者の感動を呼びました。
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作風への期待: 門脇監督の描く映像は、日常の中に潜む繊細な感情や、切なくも美しい情景を深く描き出すことに定評があります。本作においても、少年時代の**「懐かしく、儚い気持ち」や、大人になってからの「忘れたい記憶と忘れられない想い」**を、豊かな映像表現で描き出してくれることが期待されます。
🤝 制作とクラウドファンディング:共に作品を創る試み
本作は、映画レーベルNOTHING NEW初のオリジナル長編作品であり、制作には多くのチャレンジが伴っていることが明かされています。
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制作陣の熱意: プロデューサーの林健太郎氏のコメントからは、「お互いにアニメ映画制作の経験は無く、場所も金も無い。2人しかいない。」という状態から、多くの協力者を得て完成へと近づいている、熱量の高さが伝わってきます。
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新たな試み: より豊かな映像体験として作品を完成させるため、クラウドファンディングが実施されており、支援者にはアフレコ台本やスタジオ見学権などのリターンが用意されています。これは、ファンも制作過程に参加し、作品を共に育てていくという新しい取り組みです。
まとめ:あの頃が忘れられない全ての人へ
『我々は宇宙人』は、単なるSFやファンタジーではなく、誰もが持つ「あの頃」の記憶と、大人になっても消えない「自分だけの孤独」を描く、非常にパーソナルな物語です。
監督が目指すのは、「この作品を観てくださる方が、自分の人生を肯定できるような作品となること」。2026年の公開に向け、つばさと暁太郎が辿る30年以上の物語が、私たちの心にどんなメッセージを届けてくれるのか、今から期待が高まります。